2008年01月25日

セイヨウエンゴサク

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ミカン畑の隅を一面に覆う薄赤い下草を、最初はムラサキケマンだと思っていた。花は1cmほどと、東京で見慣れたものの半分くらいしかなく、草全体もずいぶん華奢だが、きっとまだ冬で成長が悪いだけなのだろう。しかしなんだか気になって図鑑を調べたら、はっきりした違いを見つけた。ムラサキケマンの果実はインゲン豆のような細長い鞘で、中に種がいくつも並んでいるが、こちらはまん丸な果実で種が一つしか入っていない。


そんなものは普通の図鑑には載っていない。もしかしたらと帰化植物図鑑を見たらカラクサケマンというのを見つけた。ヨーロッパ原産で明治の終りごろ日本に来たものだそうだ。全体によく似ているが、説明を読んであれっと思った。萼が2〜3mmと書いてあるが、こちらのはずっと大きいのだ。白い半透明の膜のようなものが、まるで魚の鰭のように細長い花の横にくっついている。


ネットでカラクサケマンを調べたら、なんとニセカラクサケマンというものもでてきた。それはさらによく似ているが、今度は逆に萼が大きすぎるようだ。近縁種にセイヨウエンゴサクというのが載っていたので、そちらに飛んだら今度はまさにぴったりだった。両者は名前からは無関係のようだが、実際はほとんどそっくりだ。それでも萼の大きさ、花の色の濃さ、また葉の形や果実の付き方などに微妙な違いがあって間違えることはない。


セイヨウエンゴサクもヨーロッパ原産で、まだ日本に入って日が浅く、あまり広がっていないそうだ。植物好きの人たちにもそれほど知られていず、これらの種類は混同されていることが多いという。そんなものがどうやってこんな離島にまでたどり着いたのだろう。またこれらのうちどの種類までここに来ているのだろうか。


それはともかくこんな細かな違いなどどうでもよいだろうと言われそうだ。しかしなぜか見れば見るほど気になってくる。どの分野においても、そういうこだわりが人間の本性としてあるように思う。


posted by 夜泣石 at 06:49| 花草木 | 更新情報をチェックする
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