2011年09月08日

サンゴジュ

#(938)s.jpg

公園の生垣でサンゴジュの実が橙色に色付いていたのは2ヶ月ほど前のことだった。それが今、もうこれ以上はないほど真っ赤になっている。少しいびつな玉で萼と柱頭の跡が目立つ。完熟果実はいかにもおいしそうだが、ほとんど食べられた様子もなく、中にはそのまま真っ黒に萎びたものもある。メジロやヒヨドリたちが山から海から大挙して押し寄せてくるにはまだ間があるようだ。

#(878)s.jpg

サンゴジュの名は、赤い実が珊瑚を加工して作った玉に似ているからだそうだ。しかし数珠とかかんざしの飾りになっていたそれらは、赤というよりピンクだったと思う。一説には実の付いている枝が真っ赤で、それが珊瑚に似ているからだという。しかしそういう部分に注目するより、おびただしい数の実が、離れて眺めれば見事な珊瑚の塊のようだということでよいのではないだろうか。

#(544)s.jpg

この5月に山がちなところで、大木が上から下まで真っ白に花盛りになっていたのを見た。それがサンゴジュの花だった。直径7mmほどと小さいが、実と同じでおびただしい数だから思わずひきつけられた。よく見ると反り返った花弁や大きめの葯を突き出した雄しべなど、なかなか魅力的な花だった。こん棒状の蕾が並んでいる様子もかわいらしい。これが何の花か最初はなかなか判らなかった。それはサンゴジュというのは園芸植物として馴染みだったから、まさか山に生えているとは思わなかったからだ。関東地方南部から沖縄にかけて、温暖な沿岸域の林に自生するのだそうだ。しかし東京近辺など、まず見かけることはない。屋久島では気が付けばそれほど珍しくはなく、海近くの林道沿いなどで時々目にする。

#(939)s.jpg

サンゴジュと判ったのは、厚く大きめで、みずみずしくつやのある葉が特徴的だったからだ。見るからに水分の多そうな木で、実際防火に役立つということで生垣などに植えられたのだそうだ。性質も強健でどこでも良く茂るという。

葉をよく見ると中央脈に沿って小さなぽつぽつが並んでいる。これはダニ室と呼ばれるものだ。クスノキなどでよく見られるが、それらでは葉の根元近くに2つあるだけだが、こちらはずらっと並んでいる。それだけたくさんダニを飼っているということか。

#(940)s.jpg

裏を見ると小さな穴が開いている。この中にダニを住まわせているわけだ。何のためにそんなことをするのか、いまだによく判っていないそうだ。一説では、ここで小さな無害のダニを殖やすと、それを食べに捕食性のダニが集まってくる、それがついでに有害ダニまで食べてくれるということだった。なるほど良くできているなと思ったが、別の研究によるとダニ室の中に有害ダニもたくさん住み着いていたのだそうで、どうも自然はもっともっと複雑らしい。ともかく我々のごく身近に、まだまだたくさんの不思議があるということがうれしい。
posted by 夜泣石 at 06:27| Comment(0) | 花草木 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。