2011年09月03日

願い石叶い石

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海辺で拾った丸い石
胸のあたりで握り締め
願い事をささやいて
そっと平たい石に
載せておきます
それを見つめて
毎日願い事を
ささやいていると
いつかきっと叶えられます
南の島の小さな子供のおまじない
あなたにも効き目があるといいですね

こんな添え書きと共に、石2つを袋に詰めて「願い石叶い石」の名でみやげ物として売り出してみた。それがなかなかよく売れたのだった。石を売ろうとするのは、どうしようもない人の象徴として漫画やジョークなどに時々出てくる。拾った石、何の価値も無い石ころ。そんなものが売れると思う浅はかさ、そんなことで食べていこうとする愚かさ。しかし私はそののん気さや物ぐささ、そしてどこか人を食ったような感じに惹かれもするのだった。

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屋久島では砂利やごろた石の海岸が多い。荒波に石がもまれ、波の動きに乗って打ち寄せられ、また引き戻される。どどー、どどーと恐ろしげに繰り返す波の合間に、かちかち、ばちばち、がらがらといったにぎやかな音が混じり合い響き渡る。それは無数の形の無い生き物たちの叫びか、あるいは無数のいなくなった子供たちのおしゃべりのように聞こえたりする。私はそんなところをさまようのが好きだ。

石たちは転がりぶつかり合って、どんどん小さく丸くなる。円盤状になるものと球状になるものとがある。どちらもびっくりするほどきれいな丸で、また表面は滑らかに磨き上げられる。そうしたものを私は目に付くたびに拾ってきた。机に転がしておいたり、また積み重ねてみたりもした。ふと、こうした石を自分がこんなに好きなのだから、ほかにも好きな人はいるだろうと思った。売り出してみて、意外に仲間が大勢いることが判って、なんだかほっとする気分だった。

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握り締めるのにちょうど良いような形の石もしばしば拾える。それに次のような添え書きを付けて、「思い石願い石」の名で売り出してみた。これも私自身はなかなか好きなのだが、いささかやりすぎだったようであまり売れなかった。

海辺で拾った丸い石二つ
右手に握り締めて思い石
左手に握り締めて願い石
どんなに思っても
どんなに願っても
海の向こうに消えていく
空のかなたに消えていく
それでも手の中に
握り締めた丸い石二つ
いつまでも心の底に
決してなくさない
希望が二つ
posted by 夜泣石 at 06:22| Comment(0) | 屋久島暮らし | 更新情報をチェックする
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