2011年08月15日

オトギリソウ

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少し前から我が家の庭でオトギリソウが咲き続けている。多年草で毎年同じところから芽が出て咲くのだが、そうでないところでも見かけたりするから種が散らばったりするのだろう。真夏の花の少ない時期、透明感ある黄色の花がそこかしこで咲いてくれるのはうれしいものだ。朝咲いて、日差しの厳しくなる昼頃には萎れていく。一日花といわれるが実際は半日も持たない。それでもたくさんの蕾が次々にできて、しばらく花は途絶えることがない。

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花の径は1.5cmほど、いささかいびつな花びらが風車のような重なりで並んでいる。雄しべが長くたくさんあるので繊細な感じもする。雄しべは整えられていなくて乱雑に生えているように見える。なんでも根元でくっついて束になっていて、その束が3つあるのだそうだ。花びらの裏には黒い点線がたくさんあり、表側にもうっすらと見えたりする。

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上から見ると真ん中でまん丸な子房が目を引く。そこから出た3本の柱頭が平面を正しく3等分している。この幾何学図形は面白い。その柱頭の先がぽつんと赤くなっているのもかわいらしい。

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小さな花蜂が来ていた。お目当ては蜜ではなく花粉のようで、後ろ足にかなり大きな花粉団子を付けている。雄しべの数が多いから仕事ははかどるのだろう。

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オトギリソウの葉は丸く細長く子供の絵のようだ。2枚が向かい合って付き、その向きが次の段と直角になる。そんな特徴ある形を作るので、生え始めの頃でも何か特別な草のような感じがする。実際これは薬草として有名なのだそうだ。弟切草の名も、その秘薬の秘密を弟が他人に漏らしたので、兄が怒って切り殺したという昔の伝説からだそうだ。

私にも弟がいる。不平不満、また自慢と言い訳ばかりを口にして、ほとんど働くこともなく引きこもりの人生を過ごしてしまった。金には汚く、認知症の進みつつあった父の収入を横取りしていた。そんな弟に、父は全財産を譲ると遺言を残した。おそらく弟の策略だったのだろう。あるいは私は父に何度も意見したから、疎まれてしまったのかもしれない。弟は末っ子で、私や姉の悪口ばかりを言いながらも、一方では甘えたがっていたようだ。しかし私は、故郷を離れ自力でこの世を生き抜いていくのに精一杯で、そんなやっかいごとを受け入れる余裕など無かった。私は弟を精神的に切り捨てた。今、大金だけを抱えてどこでどうしているのか全く知らない。そんなこの世の煩わしさを、この花の名前からふと思い出したりするのだが、そうした感慨も年毎に薄れていく。
posted by 夜泣石 at 10:45| Comment(0) | 花草木 | 更新情報をチェックする
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