2009年11月28日

イヌホオズキ

(109573)s.jpg

家の近くを歩くと、あちこちにいつでもイヌホオズキが咲いている。いつ頃から咲き出したか覚えはないが夏にはたくさん見かけ、そのまま真冬になっても咲き続ける。5mmもない小さな花で、葉陰に咲くので目立たないが、いくつも飛び出して思い思いの方向に向いている様子はかわいらしく、ちょっと覗いてみたくなる。

(109576)s.jpg

次から次へと花が咲き、それらがどんどん実っていくから、たいてい花と果実が一緒に付いている。最初は緑色の小さな玉で、だんだん大きくなって真っ黒になる。まとまって付いている様子はちょっとした飾り物のようだ。しかし熟れたものは軽くつまんだだけでぐちゃっとつぶれる。とても汁気が多くかなり酸っぱいような臭いが広がる。手についても乾くとべたべた感が残らないのできっと甘みは少ないのだろう。しかし毒性があるそうなので味見はしなかった。こうしてみずみずしい果実をたくさん付けるのは、やはり鳥に食べて貰うためなのだろう。ちょっと見るとおいしそうなので鳥も騙されるのかも知れない。

イヌホオズキにはよく似た種類がいくつもある。こんなミカン畑の脇などに多いのだからきっと外来種で、アメリカイヌホオズキだろうと思っていた。ふと思い立って特徴を調べてみた。アメリカイヌホオズキは果実の中に、種子だけでなく球状顆粒とかいうよく判らないものがいくつも入っているのだそうだ。ところがどうもそんなものは見つからない。それでは昔からあるイヌホオズキかと思ったが、その果実の表面はこんなに艶がないのだそうだ。それにこのあたりのものは花も実も、昔本土でよく見たものと比べてずいぶん小さい感じがする。そうした特徴から、たぶんこれはテリミノイヌホオズキという種類なのだろう。

イヌホオズキとは役に立たないホオズキということだろう。バカナスとの別名があるが、それは食べられないナスということか。しかしこの実を見て、普通の人はホオズキとかナスなど思い浮かべるだろうか。形も大きさもずいぶん違う。花を見ればナス科と判るのできっと植物学者が付けたのだろうが、この小さな黒いきれいな玉にはちょっとかわいそうな名前だと思ってしまう。
posted by 夜泣石 at 06:57| 花草木 | 更新情報をチェックする

2009年11月25日

ツマグロキンバエ

(109813)s.jpg

庭の満開のサツマノギクの花に黒っぽい7mmほどの虫がたくさん来ていた。これには見覚えがある。初夏にグァバの花にも来ていたし、東京で花の写真を撮っていた頃もよく見かけた。羽が2枚しかないし、なによりこの防毒マスクを付けたような長い口吻からハエの仲間だと判る。しかし花にばかり来るようで汚らしい感じはしない。花の上でしきりに雄しべの先をなめているので花粉を食べているのだろう。時々隙間にも差し込むから蜜をなめてもいるようだ。あまり逃げないしちょっとかわいらしい感じもする。よし調べてやろうと思って図鑑を開いたらすぐ判った。この目の縞模様が特徴的なのだ。ツマグロキンバエというのだった。

(109809)w.jpg

縞模様はちょっと見ると6本で、上と下だけ色が違って緑色になっている。よく見るとその外側に一本ずつ茶色の短い縞があるので全部で8本だった。なぜこんな模様があるのか判らない。役に立つなら他にもこんな例があっても良さそうなのにそんな虫など見たことがない。本当は模様などあるわけでなく、複眼の構造上偶然にそう見えるだけなのかもしれない。カマキリなど、ぽつんと小さな瞳が見える。あれも実際には瞳があるのでなく、光の加減でそう見えるだけだそうだ。では同じように大きな目玉のトンボはどうだったかと古い写真を見たら、中程が暗くなっているだけだった。とても不思議なのだが、残念ながらどこにも説明は見あたらなかった。

ツマグロの名は羽の後端が黒っぽく色付いているからだそうだ。普通ハエは羽を左右斜めに開いて止ることが多いが、これは腹の上にきちんと重ねているので、上から見るとちょっと甲虫か何かみたいだ。腹からはみ出た部分が黒くなっているので、そこまで体があるように見える。

キンバエというと青銅色のきれいな、しかし汚物にたかる嫌われ者が思い浮かぶ。それにごく近い仲間のようだが、これは花にばかり来るので不潔感は全くない。それどころか体はエンボス加工でも施した高級な金属板のようで、しかもよく磨き上げられている感じで汚れの一つもない。といってもやはりハエだから幼虫は腐食物を食べるウジだろう。我が家の周りにはゴミとか動物の死骸や排泄物といったものは少なく、普通のハエはほとんどいない。このハエだけがこんなにたくさんいるのだから、そういった汚いところで育つわけではなさそうだ。しかしネットで調べてもどこにも記述がないのは、調べた人がいないのだろうか。いや研究者というのはまさかと思うような分野にまでいるものだ。きっとこの虫を調べるような人はネットなどには関心がないのだろう。
posted by 夜泣石 at 06:47| 生きもの | 更新情報をチェックする

2009年11月21日

ナンバンギセル

(100773)s.jpg
10月中旬の写真

散歩道の土手にナンバンギセルが咲き残っていた。本土では夏の花だが、屋久島では夏も終る頃から咲き出し、10月頃が一番きれいで、ずいぶん寒くなった今頃でもまだ蕾がある。花らしきものなどないススキの草むらに、20cmほども立ち上がって赤くかたまって咲いているのはちょっと不気味な感じすらする。ススキに完全に寄生していて、葉などなく花だけが地面から伸び出ているのも異様だし、色も形もまず他に似たようなものを見たことはない。東京にいた頃は幻の花で、不思議な魅力に遠くの群生地までわざわざ見に行ったりしたものだった。しかしこの島では普通にあって、我が家の庭で見つけた時など感激してしまった。また寄生相手はススキとばかり思っていたのに、アオノクマタケランの根元にもあったのには驚いた。人の世など、寄生して他人の世話になるには相性がある。ヤッコソウも椎の木だけだし、キノコなどたいてい特定の相手が決まっている。それなのにこの花は、科も違ったずいぶんいろいろな相手に取り入る能力があるのだ。まあそれでもなぜか単子葉植物に限られるようだが。

ナンバンギセルとは西洋のキセルだからいわゆるパイプのことだ。確かにそんな形をしている。しかし日本にタバコが入ってきたのは16世紀の戦国時代だそうで、それから日本式の細長いキセルができ、それに対してパイプを南蛮ギセルと呼んだはずだから、それはそんなに古い話ではなさそうだ。この花は昔から日本にあったのだから、古代の人は何と呼んだのだろうか。万葉集には「思い草」と出ているそうで、それが本来の名前ならなかなか趣があって良い。薄紅色でうつむいた様子が思いに沈む乙女のようだということか。しかしうれしい思いでなく悲しい思いを想像してしまう。

それより残念ながら、この様子はちょっと薄気味悪さを漂わせている。特に蕾など、縞模様の萼の袋にすっぽり包まれて、上の方に赤黒い丸いものが覗いていて、なんだか一つ目小僧が目をむきだしているみたいだ。また咲いた花の中を覗くと、何だか怪しい黄色の玉がこちらをにらみつけている。これは雌しべの先の柱頭なのだが、何でこんなに大きいのだろうか。下向きの筒状の花はミツバチなどの花蜂を相手にしているはずだ。この奥には蜜がたまっていて、雄しべも隠れているのだろう。隙間を小さくして蜂の体から花粉をこすり取ろうという訳か。しかし残念ながら毎年何度も見ているのに、まだ一度もポリネーターと出会ったことがない。

(108361)w.jpg

今頃は黒茶に枯れた花殻をよく目にする。黄色の粉を吹いてあまり感じの良いものではない。ところでこの粉が種子だった。芥子粒などよりもっと小さい。莫大な数の種子を、運を風に任せて飛ばし、本当にわずかなものだけが寄生の相手を見つけるのだろう。そして急速に成長し、こんな立派な花を咲かせるまで地下にはそれなりの植物体が育っているはずだ。それなのに一年で枯れてしまう。もったいないと思うが、寄生された方はこれだけの花を咲かせる養分をすべて吸い取られているのだからたまったものではない。せめて一年だけの我慢でなければ共倒れになってしまうだろう。
posted by 夜泣石 at 21:36| 花草木 | 更新情報をチェックする

2009年11月18日

サザンカ

(109750)s.jpg

もう一月ほど前から、我が家の川のほとりでサザンカが咲いている。童謡などから真冬の花の感じがするが、まだまだ暑いくらいの日もある時期に咲き出し、そのままずっと真冬になるまで咲き続ける。

サザンカというと垣根や庭園などに植えられた、八重のなかなか派手な色の花を思い出す。しかしそれらは園芸品種で、たいていはツバキと交配したものだそうだ。ここにあるのは野生の原種で、四国南部あたりから南西諸島にかけて自生しているという。花は大きなものだと8cm位になるが、だいたいは5cmくらいと小型で、白だけの一重だ。花弁は細目で、その幅に違いがあったり短めだったりして、ほとんどいびつな花になっている。そしてどうも蕾の時に虫にやられるのか、ちぎられたような跡のあるものが多い。咲いたばかりは純白が輝くほどだが、じきに茶色のシミが広がり、数日でしおれる。園芸種だと花びらの一枚一枚、雄しべの一本一本がばらばらと崩れ落ちて足元に散り敷かれていたりするが、ここでは多くが、茶色く萎れたままいつまでもしがみついている。それでも少し離れて見れば、濃い緑の厚めの葉がびっしり茂った上に白と黄色の花が点々と散らばってなかなかきれいだ。

屋久島では川沿いに多い。きっと種子が流れに運ばれて、たどり着いた先で芽生えるからだろう。果実はツバキよりだいぶ小さいがやはり油が取れるそうだ。また葉は、お茶にして飲めるそうだ。漢字で書くと山茶花だから、山のお茶というのは代用品か何かの感じがする。ところがもともとの中国では山茶花というのはツバキのことで、昔の日本人が間違って使ってしまったのだそうだ。椿の字は、また別な木のことだという。ところで山茶花と書いてサザンカとは読めないなと思ったら、これも間違えて茶山花とひっくり返して書いたからとのことだ。ずいぶんいろいろ間違えた結果のようだが、そうした偶然のたまものであるサザンカという言葉には、日本語とも中国語とも違った北欧かどこかの響きがあって、とても良い名前だと思う。

(109785)s.jpg
posted by 夜泣石 at 06:51| 花草木 | 更新情報をチェックする

2009年11月14日

マユタテアカネ

(109643)s.jpg

だいぶ冷え込んできた里山の日だまりに、真っ赤になったアカトンボが一匹じっとしていた。それにしてもこの赤い色は見事だ。若いうちは目立たない黄褐色だし、こんなに赤くなるのは雄だけだからこれは婚姻色なのだろう。それならこれだけ見事に赤いこの個体は、たくさんの雌を惹き付けたことだろう。しかしもうそうした季節も終わり、体はだいぶ痩せて透き通るほど、ひなたぼっこだけの日々がもう少しだけ残っているといったところか。

(109641)s.jpg

こうした真っ赤になるアカネの類は本土では見慣れたものだった。しかし屋久島ではあまり目にしない。代表的なアキアカネなど分布していないし、たくさん渡ってきてまたどこかに行ってしまうウスバキトンボはここまで赤くはならない。ではこのトンボは何だろうと調べて、マユタテアカネであることが判った。顔をよく見ると鼻先が黒い、というより鼻の穴が空いているような感じに黒い2つの斑が目立つ。これを眉に見立てた命名ということだが、目の下にある眉というのも変だ。まあトンボは実際このあたりが額で、目は特別大きくなって顔に収まりきれなくなって頭の上に移動したもののようだ。

分布域は広く全国に生息するそうだ。図鑑などの記述では全国といっても、普通は北海道から九州本土までで南西諸島は対象外であることが多いが、このトンボの場合は屋久島のもう少し先まで分布しているそうだ。普通のアキアカネなどと比べて一回りほど小さく、開けたところを活発に飛び回るより木陰でじっとしていることが多いようで、そんな生き方が狭い島嶼の暮らしを可能にしたのだろう。ヤゴは淀んだ水に育つそうだが、急流ばかりの屋久島には池や沼といったものがほとんど無い。きっとどこかの小さな水たまりでそっと育つのだろう。そんな地味な暮らしにそぐわないこの鮮やかすぎる色が、かえってなんだか寂しげに思えてくる。
posted by 夜泣石 at 21:34| 生きもの | 更新情報をチェックする

2009年11月11日

サネカズラ

(109778)s.jpg

防風林に絡んだ蔓から、5cmほどの真っ赤な実がいくつもぶら下がっている。色合いも鮮やかだが、小さな実の寄せ集まった形にも面白みがある。これが有名なサネカズラだ。実葛ということで、この見事な実のなる蔓植物ということのようだ。真葛とも書かれるのは、葛の中の葛、本物の葛ということなのだろうか。また万葉集などにもよく出てくるのは、寝るという言葉の掛詞として、特に絡み合った蔓の様子から男女の逢瀬を連想させたからだという。それとは別に、長く伸びた先でまた絡み合っているので、別れてもまた会うことの枕詞でもあるそうだ。ビナンカズラ(美男葛)という別名を最初に聞いた時はこのおしゃれな玉からの連想かと思ったら、そうではなく蔓を水の中で叩いて潰すとネバネバの液体になって、それを整髪料に使っていたからだった。

(109499)s.jpg

数ヶ月ほど前、夏から秋にかけて長い間花が咲き続けていた。一日かそこらで散ってしまうのだが、次から次へと咲く。1.5cmくらいと小さく目立たないが、形良い爪か何かのような花びらの中に、象嵌細工のような玉がそっと見えて不思議な風情がある。雌雄異株で、中の玉が赤いのが雄花だ。玉に埋め込まれた白い破片のようなものが葯だが、じつはここにちょっとびっくりするような構造があった。隣り合った2つの破片が一つの雄しべだと思ったら、そうではなくびっしり張られたタイルのようなものの向こう側とで対になっていたのだ。雄しべの先が二つに分かれるのは多くの花でよく見られる。その分れた葯のそれぞれを半葯と言い、その間の組織を葯隔と言うそうだ。サネカズラでは、このタイルのようなものが葯隔で、それが極端に広くなっているというわけだ。

(109509)w.jpg

中が緑のものが雌花だ。雌株と雄株は結構離れて生えていることが多いので、かなり飛翔力のある虫がこれらの花には来るのだろう。時々壊れたおもちゃのようなおかしな形の実が見つかる。季節の終り頃目にすることが多いので、虫が少なくなって受粉がうまくいかなかったためではないだろうか。それからしばらくしてぐっと寒くなる頃、葉が赤く染まってくる。見慣れた紅葉などと違って、てかてかした厚めの葉のため、つやと深みのあるなめし革のような赤だ。常緑樹なので散ることはなく、冬の間ずっと赤いままでいる。

東京にいた頃はめったに見られなかった。関東あたりから南の暖かい地方に分布しているのだそうだ。屋久島に来て、里の防風林などあちこちに絡みついているのを見て感激したものだ。今では当たり前になってしまったが、それでも花の季節、実の季節、それぞれに気になって毎年見て回っている。
posted by 夜泣石 at 05:40| 花草木 | 更新情報をチェックする

2009年11月07日

イソカネタタキ

(109767)s.jpg

屋久島に来て最初の秋、チリチリチリといった聞き慣れない虫の音に気付いた。ちょっとクサヒバリに似ているがあんなに優雅なものでなく、だいぶ甲高い感じで声も大きい。何だろうかなと思っているうち、それが家の中に入ってきて目の前で鳴いてくれた。姿を見て驚いた。これはカネタタキの仲間だ。図鑑を調べてすぐ判った。イソカネタタキという名前だった。

どこにでもいる馴染みのカネタタキに比べて一回り以上は大きく1.5cmはある。しかし雄の羽はかえって小さい。それなのに鳴き声は大きく威勢良く、ゆっくり間を置いてチンチンとか細そげに鳴くカネタタキとはだいぶ違う。薄い茶色ののっぺりした扁平な体で、特に雌には全く羽がないから、ちょっとコオロギの仲間には見えない。

関東地方からずっと南西諸島にかけての温暖な海岸部に分布しているのだそうだ。しかし千葉や神奈川などでは準絶滅危惧種に指定されているから、今まで見たことがなかったのも当然だった。屋久島には多く、ずいぶん寒くなるまでずっと鳴き続ける。海岸だけでなく、けっこう畑や人家の周りにも進出してきている。

浜辺に行くとずいぶんにぎやかに鳴いていた。どこにいるのだろうと探したら、群生しているハマユウの中だった。分厚い葉の重なった隙間に、それこそうじゃうじゃといた。外に出ているもののもいて、何をしているのかと思ったら葉を囓っていた。大きく厚い葉だから、こんな小さな虫が囓るくらい何と言うことはない。ちょっと茶色のシミができるくらいだ。ハマユウは頑丈な隠れ家を提供してくれるし、食料でもあった。なるほどこの島にこんなに多くいる訳が判った気がした。

(109768)s.jpg
posted by 夜泣石 at 06:49| 生きもの | 更新情報をチェックする

2009年11月04日

ヒメキンミズヒキ

(109762)s.jpg

キンミズヒキの実はいつ見ても面白い。ウニかイソギンチャクかなど思わせる形で、たくさんの刺は何だか獲物を狙ってでもいるようだ。実際に狙っているのは動物の毛皮や我々の服で、それにひっついて遠くに行こうとしているのだが。初めて見た時には不思議な造形に感動すらしたものだが、気がつけば珍しいものではなかった。東京あたりでもちょっと郊外にでも出ればどこでも見かけるほどだった。

(106158)s.jpg

花も小さいけれども単純なきれいさがある。今より1、2ヶ月前によく咲いていた。本土では長い花穗にびっしり咲いて黄色の花の棒になっていた。それらが秋の日差しの中でぎっしり立ち並んでいるのは、なかなか人目を引くものだった。屋久島では花穗はだいぶ短くしかもまばらにしか咲いていない。よく見ると花びらも細長くてちょっと貧弱だ。果実もずいぶん小さく3mmくらいしかない。これはヒメキンミズヒキという別種だった。東京近郊ではほとんどヒメの付かない方ばかりだったが、なぜか屋久島で見かけるのはヒメキンミズヒキばかりだ。調べてみたらヒメキンミズヒキは屋久島が分布の南限だった。キンミズヒキがここまで来ているかどうかは定かではない。

屋久島ではそれほど多くは見かけない。雑木林の陰のちょっと薄暗いような所にひっそりと咲いていたりする。それでも懐かしくて、いくつか自生地を覚えて季節になると毎年見に行っていた。今年、偶然2ヶ所も新たに見つけた。いずれも山側の狭い農道脇で犬の散歩を時々見かけるところだ。犬の毛に付いて少しずつ分布を広げているのかも知れない。
posted by 夜泣石 at 07:06| 花草木 | 更新情報をチェックする

2009年11月01日

キセキレイ

(109696)s.jpg

道の真ん中でキセキレイが何かをつついている。近付くと慌てて飛び上がるが、またすぐ先の道路上に降りる。轢いてしまいそうなほど車が近付いて、また舞い上がるがすぐ先に降りる。そういうことを何度も繰り返すのではらはらしてしまう。少し横にどいてくれたら良いのにと思うが、どうもこの鳥は道の上が大好きなようだ。いや実は、もともと川筋にいることが多い鳥で、舗装道路が川のように見えるからだと聞いたことがある。

セキレイの仲間は何種類かいるが、色も動作も鳴き声もキセキレイが一番派手だと思う。「チチン、チチン」と甲高く鳴いて飛び上がる。黄色が目立つだけでなく、広げた羽は白と黒の縞模様で日差しの中で鮮やかに輝く。ひと所でさっと舞い上がって降り、また舞い上がるのを繰り返して、なんだか目の前でダンスでも見せてくれているかのようだ。これは空飛ぶ虫を空中で捕まえているのだった。

秋になると里のあちこちで見かけるようになる。数は多いが群れていることはなく、だいたい単独でいる。日本全土に分布しているそうで、東京の都心でも冬はよく見かけた。メジロなどと同じで、寒くなると山から降りてくるのだそうだ。屋久島でも同じだろうか。しかし夏に山に行くとメジロは見かけるが、キセキレイを見たような記憶がない。どうも多くは、北の方から越冬のため渡ってきたもののようだ。ヒヨドリなども土着もいるが、冬になるととんでもないような群れが空を覆うように飛んでいたりする。これも渡ってきた連中だ。

今頃のキセキレイは黄色も薄く、ちょっとハクセキレイと見間違えたりする。春先になると鮮やかな黄色がお腹を覆い、翼も黒く引き締まって見違えるほどになる。これは婚姻色なのだろうか。その頃、雄の胸元は黒く染まるので雌雄の区別が付くようになる。今年の3月、島の北端の雨上がりの舗道の上でしきりに落ち葉をひっくり返して餌を探している雄がいた。食べるのに夢中でかなり近付いても逃げようとしない。これから本土に向けて飛び立とうと、腹ごしらえにいそしんでいたのかも知れない。

(108810)s.jpg
posted by 夜泣石 at 06:42| 生きもの | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。