2008年09月30日

オクラ

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オクラは庭で毎年作っている。今年は種まきが遅れたので初収穫は7月になってしまったが、それからは毎日、食卓に一日も欠かすことはない。採算などとは無縁だから市販のものよりまだだいぶ小さく柔らかいうちに収穫する。もちろん無農薬だし、そのまま薄く輪切りにして、刻みキャベツの上に散らしている。味も香りもほとんど無いようなものだが、適度なさくさく感とぬるぬる感が食欲を誘う。またオクラにはいろいろ栄養があるそうで、きっと今年の夏の暑さを乗り切る一助にもなったことだろう。

いつも畑の部分で作っていたが、年々株が貧弱になったきた。ネコブセンチュウが寄生するそうで、地中にそれが増えたのかもしれない。そこで今年は花壇に種を蒔いた。なぜか背は低めだがしっかりした株になった。真夏、多くの花が夏やせする中で、大きめの黄色の輝くような花が毎日咲く。もともと畑にはもったいないくらいだったのだ。

手を広げたような大きな葉も観賞用になりそうだ。にゅっと空を指さしたような果実の形も面白い。女性のスラリとした指先に似ているとして「レディースフィンガー」とも呼ばれるそうだ。しかし私には、なんだか魔女の指のように見えてしまうのだが。

オクラの名は日本語かと思ったら英語で、もとはアフリカの現地語からだそうだ。アフリカでは大昔から栽培されていて、近年になって黒人奴隷とともに世界に広がっていったのだという。鮮やかすぎる花の陰には、そんな悲しい歴史が隠されていたのだ。

オクラを育てていて困るのは虫が付くことだ。まず葉が破かれ筒状に巻かれ、中から青虫が食い散らかす。筒の中に隠れているため鳥などに食べられることもない。放っておくと丸坊主にされてしまう。これはワタノメイガの幼虫だそうで、夏の初めと秋口に特に多い。

また今頃多いのは明るい緑の体に黒紋、そして黄色の筋のきれいな、毛の短いわりと大きめな毛虫で、葉の上に堂々と寝そべっている。こんなに目立ってよく鳥に食われないものだと思う。これはフタトガリコヤガの幼虫だそうだ。

これらは一つ一つ手で取るしかない。以前はそれを、遠くの草むらなどに放り投げていた。このあたりには同じアオイ科のオオバボンテンカなども多いから、運が良ければ生き延びていくだろう。しかし最近はそういう機会を与えてやる気もしなくなった。害虫を農家の人が構わず踏みつぶしていたのを残酷だなと思ったものだが、今では自分がそうしている。たとえ家庭菜園であっても、農業というものは甘いものではないのだった。
posted by 夜泣石 at 06:49| 花草木 | 更新情報をチェックする

2008年09月27日

ウスバキトンボ

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朝早く庭に出ると、枯れ枝にトンボが何匹も並んで止まっていた。ちょっとくすんだ橙色のウスバキトンボだ。いつも飛びまわっている姿しか目にしないが、夜はこうやって休むのだと初めて知った。赤みの強いきれいな方が雄のようだ。

庭にはいつもこのトンボが飛んでいる。他の多くの飛ぶものたちのように、どこからか来てまた去っていくというのでなく、ほとんどここから離れず、さして広くない範囲を行ったり来たりしている。あまり羽を動かさず、空中に浮かんですーすーと滑るような飛び方をする。体の割には大きめな羽と、透けるほどの華奢な軽い体がこんな動きを可能にしているのだそうだ。

アカトンボのように思うが、秋に真っ赤になって山から下りてくるアキアカネなどの本当のアカトンボの仲間ではない。だが数の多さが圧倒的なので、こちらの方が馴染み深い。またアキアカネは枝先などに止まっている姿をよく見かけ、ウスバキトンボはほとんど飛んでいる姿しか目にしない。だからこれらは違う状態の同じ一つのアカトンボだと思っている人が多いようだ。なお屋久島にはアキアカネはいないそうで、ふだん目にするのはほとんどウスバキトンボばかりだ。

昔はよく精霊トンボといわれていた。本州では旧盆の頃大群が現れるので、戻ってきたご先祖様か、あるいはその使いのように思われたからだという。確かに足早に暮れていく夕日の中をものすごい数のトンボが群れていると、今までここで死んだすべての人が集まってきたような気もして、あの世とこの世の境目にふと迷い込んだような思いがしたりする。

ウスバキトンボは世界中の熱帯、亜熱帯にいて、あらゆるトンボの中で最も分布域が広いそうだ。屋久島では春早くから見られる。この島で越冬したものか、南から渡ってきたものか判らないという。3月、ツバメの飛び交う頃に大群が現れて、しばらくすると消えてしまう。本土に渡っていくのかもしれない。いつもある程度はいるが、8月後半からまたぐっと増える。

よく車のボンネットなどに、飛びながらおしりの先をしきりに打ち付けていたりする。水面と間違えて産卵しているのだ。成長が早く、1ヶ月ほどで成虫になるので、ちょっとした水たまりなどに構わず産卵するという。飛翔力が強いので海を渡り、新しい土地ですぐに子孫を増やし、それらが暖かくなるにつれてどんどん北上していくのだそうだ。

昔、秋の校庭でよく捕まえたりして遊んだものだった。東京で働いていた頃も、都会の真ん中でよく目にした。北海道に出張した折りにもたくさん見た。しかし冬が近づくと、また南に帰ることは知らず、卵や幼虫も寒さに弱く越冬することはできず、このおびただしい数がすべて死滅するのだという。
posted by 夜泣石 at 09:49| 生きもの | 更新情報をチェックする

2008年09月23日

キンゴジカ

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道ばたや空き地のあちこちでキンゴジカが盛んに咲いている。夏の初めにもたくさん咲いていたが、真夏に一時休止して、8月半ばからまた目に付くようになった。こちこちの乾ききった荒れ地に群落を作るほどたくましいのだが、それでも夏の真っ盛りに花を咲かせるのは厳しいようだ。残暑の今でも日中の日差しはじりじりするほどだが、吹く風はずいぶんさわやかになった。

1cmちょっとのこぢんまりした花は、こんな荒れ地に不釣り合いなほど愛らしい。淡い黄色の花びらは、小さな虫が止まっただけでも傷が付くほど弱々しい。真昼の日差しに半分透けて金色に輝いている。そして不思議なことに片側だけ出っ張って、いびつな形になっている。それが5枚向きをそろえて並んでいるので、まるでおもちゃの風車のように見える。あれこれ花を見ていると、右回りと左回りのあるのに気付く。花糸の赤い株を見つけると、とてもきれいで当たりくじを引いたような気分になる。

ゴジカという名の付く花はほかにもある。漢字では午時花で、昼時の花という意味だそうだ。キンゴジカは我が家の庭ではたいてい10時前に開いて1時過ぎにはしぼんでしまう。この花の属するアオイ科に一日花は多いが、その中でも特に短命のようだ。こんな束の間では虫の来る機会は少ないかと思うが、そんな心配をよそにたくさんの実ができている。三角の形の真っ黒な種がぎっしり詰まった異様な感じで、この花にはちょっと似合わない。

キンゴジカは昔、旅行に行った南の島で初めて見た。屋久島あたりが分布の北限だそうだ。しかし同じ仲間の帰化植物が何種かあって、それらが各地で増えているという。最近は東京あたりでも見つかったりするそうだ。どれも花はよく似ていて、おもに葉で区別するとのことだがかなり判りにくい。

ほかの花の咲かない不毛の地を彩ってくれるのはうれしい気もするが、実はこれは見かけによらず始末に悪い花だった。高さがたいてい膝くらいしかないので草のように見えるが、なんとこれは木だった。細いとはいっても幹だから引っ張ってもちぎれない。固い地面にしっかり根を下ろしていてなかなか引き抜けない。たくさんの種が飛び散るためか至る所から生えてきて、踏まれても平気で通り道をふさいでしまう。我が家の庭では、今では見つけ次第、小さなうちに引き抜いてしまっている。
posted by 夜泣石 at 06:37| 花草木 | 更新情報をチェックする

2008年09月20日

自らの判断と責任で

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山の彼方にあこがれたのはいつのことだったか

屋久島町長の疑惑追及の第四弾として、コスモ出版の「くまもとTODAY」9月号が出た。崖地購入における町長の犯罪手口について、新事実も含めてより詳細に解明されている。それをまとめてみると以下の三種類になるようだ。

1)土地売買契約書の偽造
2)不正、違法な議案の提出(内容および方法・時期)
3)議会の承認を得ていない違法な執行

これらを具体的に追っていくと十数項目に及ぶ法令違反が数え上げられるという。それにしても何でここまでやってしまったかと改めて驚かされる。まず町長には、この崖地を含む一帯を買い取るという個人的な目的があって、中心市街地活性化事業はそのための方便だったのではないか、といった憶測すらある。

それはともかく今回特に私が感心したのは、町長には「自らの判断と責任」が求められているという指摘だった。問題の崖地の購入において、町長はたびたび「議会の承認を得ている」と、あたかも議会に責任を転嫁するような弁明をしている。しかし地方自治法では執行機関の義務として「自らの判断と責任において、誠実に管理し及び執行する」と定められているのだそうだ。つまりたとえ議会が議決しても、町長はそれがおかしいと判断した時には執行を拒否することもできるのだ。ということは議会がどうのこうのというのは言い訳にはならず、町長は購入にあたって、この土地の価格は正当であり、ちゃんとした使用目的があると自ら判断していなければならなかったはずなのだ。

ところで考えてみればこんな一万人ちょっとの島だ。町長だからともったいぶって奥に隠れていることはない。町民と一緒に現場に出て、この崖地を見ながら、これには一億円の価値がある、こういう目的に使える、と説明するべきではないか。そしてそう判断するなら、町はどうしようもなくて困っているのだから、使い道が判っている本人に買い取ってもらえばよいのだ。一方もし現場を見て、これにはそんな価値はないと認めるなら、その購入を執行した責任者を、町民に対する背任者として自らの手で厳罰に処してもらいたい。

さて紙面にはこの疑惑とは別に「世界自然遺産の島はゴミの島」という衝撃的な見出しもあった。今までもいろいろ噂は聞いていたが、これほど酷いとは思わなかった。私はゴミ処理が無料の都市から移住してきたので、有料でしかも細かく分別されている屋久島は、当然それなりの処理はされているものだと思っていた。

まず2年前に稼働開始した最新鋭施設が、当初からたびたび故障をくりかえしているのだそうだ。最近は3週間も停止していたという。またゴミ処理の結果出てくる炭化物は資源として有効利用を図ったものだが、引き取り手探しが難航しているそうだ。

さらに問題なのは、過去のゴミが大量に野積みされていることだ。その惨状はしばしば報道される中国かどこかよその国のことかと思うくらい酷いもので、環境汚染が心配されているという。これらは新設備で順次処理されていくはずだったが、前述のように未だその稼働がままならない。しかもたとえそれが順調に稼働したところで、これだけ大量のゴミを片付けるには何十年もかかるとのことだ。つまり今は全く見通しが立っていないのだった。

それにしてもなぜそんな、ほとんど実績もない最新鋭の設備など導入したのだろうか。ここは離島であり専門家もいない。そういう状況では、世の中に最も普及し故障の少ない機種を選ぶのが常識だろう。また能力としては、過去のゴミは少なくとも十年以内に処理しきれるくらいのものを選ばなければならなかったはずだ。誰がどういう経緯で決めたのか、その人たちはどのように責任を取るつもりだろうか。

ゴミ処理施設については、メーカーに改善計画の提出を要求しているのだそうだ。しかしこんな交渉は相手の返事待ちでは心許ない。いつまでに何をするか要求項目を明確にし、それらが受け入れられなければどういうペナルティを課すかなど、こちらから突きつけなければぐずぐずと先延ばしされてしまうのが落ちだろう。

今この島にはこれらだけでなく、最近新聞でも報道された山岳トイレ問題など、緊急の課題が山積している。そのためには町政に強力なリーダーシップが求められる。しかし足下を攻められふらふらの町長は、自分の身を守ることだけで精一杯のようだ。町では何をするにも悪い噂ばかりが飛び交い、まるで難破船にでも乗り合わせてしまった感じだ。なんとか早急に新しいリーダーを擁立して、屋久島町を再出発させる方策はないものだろうか。
posted by 夜泣石 at 08:48| 屋久島町の動き | 更新情報をチェックする

2008年09月16日

ハマゴウ

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海岸に行くとまだハマゴウが咲き残っていた。確か咲き出したのは6月頃だった。あれからずっと、海に向かって延々と蔓のような茎を延ばし、潮の届かないあたりまで浜を一面に覆っている。節々から小枝を立ち上がらせ、四角い断面のそれぞれの方向に密に葉と花を付けるから、なんだか模型の小さな五重塔でも一列に並べたかのように見える。

花は紫が多いが、青から桃色くらいまで変異がある。どれもしっとりと落ち着いたきれいな色だ。葉の緑色が薄く、それとの取り合わせはとても上品な感じがする。形の方は花びらがせり出したり反り返ったり立体的で、中から雄しべ雌しべもぐっと飛び出していて躍動感がある。ちょっと神秘的で深山幽谷には似合いそうだが、真夏の灼熱の浜辺では意外な感じがしてしまう。

この花はとても香りがよい。といっても普通の花のような甘ったるいものでなく、ローズマリーに近いような魅力的なハーブの香りだ。そして花よりも葉や果実の方が強く香る。ちぎると手がべたべたするから、精油成分を全草に含んでいるのだろう。

今の時期、花よりも実になっているものが多い。こんなに芳香のある実というのも珍しいのではないか。5mmほどの黒褐色でまん丸く堅いそれは、種子そのもののように見える。実際は果実で、堅いコルク質の果皮に包まれて、中に四つの種子が入っていた。この果皮のおかげで、海流に浮かび遠くの海岸にまで運ばれていくので、同じ種類が太平洋の西側の温暖な海岸に広く分布しているのだそうだ。果実をそのまま蒔いてみたが芽は出なかった。丈夫な果皮を取るか腐らせるかする必要があったようだ。

ハマゴウの名はいかめしい感じで、この花にはあまりふさわしくない。語源は一説には、香りがよいから浜香なのだという。また古代には浜這(ハマハヒ)と呼ばれ、それが訛ってハマゴウになったという。漢字では普通、浜栲と書くようだ。栲を辞典で引いたら曲がりくねった木という意味で、ある木の固有名詞だった。あるいは竹などで編んだかご、また一般的に布という意味もあるそうだ。

ハマゴウも、地上の姿からは想像もできないほど曲がりくねった太い幹を地下に持っている。屋久島でも田舎浜など純粋な砂浜では、台風の後などごそっと砂が持ち去られ、大蛇のようにのたくった姿が暴き出されていたりする。しかしこの島ではたいていの浜は砂礫で、地面はめったに揺るがない。まっすぐに伸びた茎がごろた石や大岩を上り下りし、ハマゴウはあちこちで大群落を作っている。
posted by 夜泣石 at 06:51| 花草木 | 更新情報をチェックする

2008年09月13日

屋久島町議会を傍聴して

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いつかすべては砂に埋もれ、海に沈み・・・

屋久島町議会で町長の疑惑の追及があると聞いたので行ってみた。傍聴は初めてだったが、まず驚いたのはその気楽さだった。議場の外階段を登って、ドアを開ければそこはもう傍聴席だった。出入り自由で何の手続きもいらない。これなら町民みんな、ちょっとした空き時間にでもしょっちゅう覗きに来ればよいのにと思った。

傍聴席を背に議員がずらっと並んでいる。その向こうに、こちらを向いて町長はじめ役場の面々が、議員よりも大勢ずらっと並んでいる。驚いたのはこれらみんなの距離の近いことだ。一人一人の表情やささやき声までよく判る。これほど開放的なのに、町政の暴走や私物化を招いてしまったのは、こんな機会を活用してこなかった町民にも責任があるように思った。

一般質問で疑惑の追求が始まった。「くまもとTODAY」にあれだけ手厳しく書かれているのだし、またそれをこの場の全員が知っているだろうから、常識的には町長は針の筵のはずだ。どんな様子かと思ったら、それはたいしたもので、表情も崩さず受け答えも落ち着いていて、表面的にはまったく動じたふうもなかった。それどころか、風評被害にあって迷惑しているが、それでもひたすら誠実に対応していますといわんばかりであった。

質問の一つ、虚偽の公文書作成について、町長は「それが事実なら、あってはならないことなので至急調査します」などと答えていた。しかしその契約書の締結者の「甲」の方は町長自身だ。そして「乙」の方の記載が虚偽だったわけだ。それに気が付かなかったというのなら、こんな一億円を超える契約書にめくら判を押したということになる。それよりそもそも「乙」の方も、よく見れば町長自身の押印であったのだ。こういう事実を知った上で町長の顔を見ると、よくもここまでしらばっくれることができるものだと、その詐欺師ぶりに感心すらしてしまう。

町長の答弁ではたいてい、追求されたことに対しては「調査してお答えします」ということだった。しかしいつ、どこで、どのように回答するのか、そして疑惑がクロだったらどのように対処するのか、といったことには全く触れられていない。これでは質問が終わった後は、すべてがうやむやになってしまう。都合が悪いことはすべて「調査します」と言っておけばよいのだ。

質問がいくつかあれば、軽いものにだけ答えて肝心のものは無視したり、要点だけ言えばよいのに細かな数字をだらだらと読み上げたりする。どうも町長はまともに対応する気などなく、議会などはぐらかしておけばよいのだと考えているようだ。

ところでここに、議員の皆さんによって「議会だより」が作られている。その中に「調査する」と答弁したことをまとめて、懸案事項一覧表を作ってほしい。そして毎号継続して、それぞれがいつどのように回答されたか書き入れていってほしい。そうすれば言い逃れやその場しのぎを許さず、議会の存在感をずいぶん高めることになると思う。
posted by 夜泣石 at 11:50| 屋久島町の動き | 更新情報をチェックする

2008年09月09日

眼病治療終る

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鹿児島のシンボル桜島にかかる雄大積雲

眼病治療が終った。といっても完治したということではない。これ以上は良くならないから、もう来なくてよいと病院で言われてしまっただけだ。5月から始まってほぼ丸4ヶ月の鹿児島本土通いだったが、終ってみると案外あっけなかったような気もする。

ブドウ膜炎に罹った右目は、最初はすだれを通して外を見るような状態だった。それがしだいにレースのカーテンになり、だんだん薄手になって、今では透明なビニールか何かのシートになった。幸いなことに視力そのものはかなり回復したので、車の運転などには差し支えない。しかし眼鏡のレンズが片方だけ汚れているようなうっとうしさがある。また飛蚊症がかなり進行し、空とか本とかパソコンの画面など明るい背景のものを見ると、いくつものゴミのような影がちらちらして煩わしい。

目を濁らせたのは患部から眼球内に滲み出した体液で、それは徐々に吸収されていったのだが、硝子体が少し変性を起こして元に戻らなくなってしまったのだそうだ。症状としては白内障に似ているようだが、そちらは濁っているのは水晶体で、眼球の組織の中ではわりと小さめで独立しているから、今では手術がずいぶん普及している。硝子体の方は眼球の大部分を占める組織で、また網膜と癒着したりするからそう簡単にはいかないそうだ。視力は出ているので手術はしない方がよいとのことだ。まあ失明の恐れもあったのだから、この程度で済んだことを喜ぶべきだろう。

残念なことに再発する恐れがあるそうだ。もともと原因がはっきり確定できたわけではなく、対症療法的な治療だった。そして病状が治まったというだけで、根本的に直ったかどうかは判っていないし、そんな検査もしていない。どうもやっかいな持病を抱え込んでしまったようだ。

病気をすると否応なく生活がかき乱される。隠遁生活では嫌なこと辛いことなどから逃げて勝手気ままにに暮らしてきたのだが、そこから強制的に現実に引き戻された思いだった。しかしこういうことでもなければ、惰眠をむさぼるような毎日から目を覚ますことはなかった。刺激を受けていろいろ考えもしたし、生活にも変化があった。もともと人間は常に変るもの、そして成長するものだろう。そうした機会が与えられたのだから、まあ悪いことだけでもなかったと思うことにしたい。
posted by 夜泣石 at 10:04| 屋久島暮らし | 更新情報をチェックする

2008年09月06日

モロコシソウ

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久しぶりに山道を歩いたら、モロコシソウがまだ咲き残っていた。細い針金の先にぶら下がったような格好で、1cm半ほどの黄色の花がうつむいて咲いている。ひょいっと仰向けさせて正面から覗くと、雄しべの葯がいやに大きく、それが雌しべをしっかり取り囲んでいるのが目に付く。色といい形といい、ナス科の花のように見えるがサクラソウ科だった。

屋久島に来るまで、どこかで一度見た覚えがあるくらいの花だった。だからここで初めて見つけた時は、珍しいものに出会えたと思ってうれしかった。しかしそのうち、この島にはけっこうあちこちにあるのに気付いた。小高い山の林道脇や轍の間の草むらなど、薄暗い荒れ地はほとんどこの草だけだったりする。そしてこのあたりで真夏に咲いているのもこの花くらいだ。多くの草が鹿の食害で消えてしまっている中、これには鹿が囓ったような痕もない。

鹿が食べないのは臭いがきついからだという。葉をちぎってみると何とも言えない異臭がする。不思議なことに乾燥させると急に良い香りに変り、鼻を近付けただけでも匂うようになる。よく芳香があると書かれているが、花の香りのような甘美なものではない。近いものといえばカレーの匂いだ。といってもカレー粉ほどの刺激臭はなく、もう少しまろやかだ。これには虫除けの効果があるそうで、昔は乾燥させた草をタンスの中などに入れたのだという。

分布は千葉県から南の暖地だそうだが、珍しいと書いている人が多いので、どこでもそれほど多くはないようだ。沖縄あたりでは薬草として採りすぎてしまって、今では栽培したりしているそうだ。名前のモロコシは唐土の意味で、昔の人が異国から来た草だと思ったからだという。確かにまん丸な果実を、花の時よりもずっと長くなった果柄の先に付けて、四方に飛び出させている姿はちょっと変わっている。かわいい飾り物をちゃらちゃらさせているようで、もしかしたら西方の国の女性の服装を連想したのではないかとふと思った。
posted by 夜泣石 at 06:51| 花草木 | 更新情報をチェックする

2008年09月02日

屋久島町長に対する要求書に署名を

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屋久島を襲う妖怪のような雲

日高十七郎屋久島町長に対する「土地購入に係る損害金返還要求書」への署名活動が始まっている。これは屋久島町長提訴と同じ内容で、無価値の土地購入費など1億2千万円ほどを町に返還するよう直接本人に求めたものだ。推進しているのは「町行政を正常化し、明るい町づくりを推進する会」(山口昌之代表)とのことだ。

屋久島町長の疑惑については以前から様々な噂があったが、今までは反対派の陰謀とか誹謗中傷だなどとされ、あまり相手にされず放っておかれた。しかし今回は「くまもとTODAY」による綿密な調査と詳細な記事により、さすがの屋久島町民も目覚めつつあるようだ。町長や取り巻き議員に対する憤慨の声があちこちで上がっている。その怒りの一端だけでもこの署名にぶつけてほしいものだ。9月発行予定の「くまもとTODAY」では、更なる追求と暴露が満載であるそうだ。

この署名が、たとえ町民の過半数を超えたとしても、それだけで町長が「はい判りました」と返還に応じる訳はないと思う。やはり法による制裁が必要だろう。それでは署名は意味が無いかというと、そうではなく裁判に勝つのにたいへん有効なのだそうだ。住民訴訟においては、多くの住民が賛同していることがきわめて重要なのだという。その裁判はいよいよ9月24日から始まることになった。

今、推進する会のメンバーが手分けして各家庭を回っているそうだ。ただ留守だったり回りきれないところもあるので、署名がまだの人は、ぜひ推進する会(47-2277)に電話していただきたい。あるいは当方にメールをいただいても取り次ぐことができる。会のメンバーがすぐに用紙を持って伺うとのことだ。

ところで最近、また一つ町長の犯罪手口に新事実が見つかったそうだ。旧屋久町が鹿児島県町村土地開発公社からこの問題の土地を買った契約書が虚偽の公文書であったことが判った。売り主は鹿児島県町村土地開発公社の四元泰盛理事長になっているが、記載された肩書きが間違っていた。また印鑑が理事長印でなかった。おかしいと思って問い合わせたところ、理事長はまったく与り知らなかったことが判明したのだそうだ。印鑑は日高十七郎氏所有のものだったので、誰の仕業かは明白だ。どうせばれはしないと、ここまでいい加減なことをしていた訳だ。それにしてもこんなことまでまかり通ってしまうとは、議会や担当の役場職員はどこまで無能なのだろうか。それともグルになって町民を騙していたのだろうか。
posted by 夜泣石 at 06:52| 屋久島町の動き | 更新情報をチェックする
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